理事長あいさつ

「こころの医療」の理想形を求めて、一歩ずつ着実に前進しています。

 昭和29年、亡き父井上安郎を院長に、職員数わずか7名で始めた小さな医院。それが当院のはじまりです。以来、心地よい風が吹き抜ける名勝・虹ノ松原の一隅で、地域の皆様に支えられながら、半世紀を超える歴史を刻んでまいりました。
 内科や眼科へ行くように、心の調子を崩したときに誰もが気軽に訪れることができる病院をつくりたい――そんな開業以来の理想像に少しでも近づこうと、当院はさまざまな取り組みを重ねて、今日に至っています。
 25年前、多様な併発疾患を起こした患者さまへのケアを念頭に、内科や脳外科、緩和ケア病棟まで備えた救急病院「河畔病院」を立ち上げたのも、その一環です。現在では介護老人保健施設「ケアハイツ虹」とあわせて医療法人「松籟(しょうらい)会」を組織し、患者さまへの対応領域を大きく広げています。
 また訪問看護や作業療法、家族の方々への情報提供にも目を配った心理教育プログラムなど、多彩な取り組みを通じて治療内容の充実を図っています。
 2010年12月には、3階建ての新病棟も完成し、ちょっとした心の不調から、高度な治療を要する重篤な疾患まで、より幅広いニーズにお応えできる体制が整いました。
 この新病棟の完成を機に、当院は「唐津保養院」から「松籟病院」へと名称を変更し、また新たな一歩を踏み出しました。松籟とは「さわやかな松風の音」という意味。俳句を愛した父が、「こころの医療の未来」に向けた志を、そっと託した言葉です。
 変わらぬ志を、最新の医療技術で。私たちの取り組みは、これからも続きます。

会長 井上 克己

 
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